40年以上の歴史を持つ女性向けファッション誌がSNSで大炎上。謝罪する事態になりました。
13日の“ソレってどうなの?”は「ファッション誌炎上の原因は“人気企画”」をテーマにお伝えします。
波紋を広げたのはファッション誌「CLASSY.」。
20~30代の女性をターゲットにしていますが、どんな内容の特集企画だったのでしょうか。
タイトルは「オペ看護師が主人公!スカートしばりの3月着回しDIARY」です。
病院で働いているオペ看護師の1カ月の着回しコーデをストーリー仕立てに紹介するというものですが、主人公の看護師が、医師とドロドロの病院内不倫をしているという設定でした。
ネット上では「医療従事者をバカにしている」「職業に対する偏見が行き過ぎでは?」と批判が殺到しました。
「CLASSY.」の公式SNSには、医療従事者を名乗る人たちから「すごく不快」「強く抗議します」などといった怒りの声も相次ぎました。
さらに批判されたのが、ストーリーの中で看護師が焼き肉を食べに行った時のセリフで、「わ~さっき焼いた内臓のにおい」といった内容でした。
現役でオペ看護師として働く女性にファッション誌での“不倫看護師”設定をどのように感じたか話を聞いた。
オペ看護師歴18年の女性は、「ショックでしたね。手術室看護師の役割をきちんとみんな考えて役目を果たしている。その現場をあのような内容でされると、乖離(かいり)がありすぎて現実と。なので傷つきます。忙しくて余裕のない中で、着回しとか服・素材の紹介なら見て楽しいけど、不倫目的で普段ファッションしているわけではない」と話しました。
街の人たちにも聞いてみると、「不倫を肯定的な企画で取り扱うのはよくない」との声が。
「さっき焼いた内臓のにおい」というセリフついても、「これきついね。やっぱりいい気分はしない。職業をバカにしている感じが受けられる」などの反応の一方、「確かに見たときびっくりして、『不倫なんだ!』って。雑誌だから別にいいんじゃない」という声や、「斬新だなとは思う。本当の看護師さんが見たら不快に思う人もいるかもしれない。面白いなとは思う」といった声も聞かれました。
問題となった特集について、「『フィクション』と自分は捉えている」「『架空』だからいいのでは」といった意見もありました。
実は「CLASSY.」の着回しコーデ企画は、これまでにも「大量発生したゾンビから逃げる女性社員」や「日本沈没の危機に対応する女性防災アドバイザー」といった、かなりとがった設定で人気だったんです。
今回は不倫を肯定する内容だけでなく、最後は不倫を償うようなストーリーになっていました。
この騒動を受けて、雑誌側は公式サイトを通じて「企画内における、看護師、医師に関する表現は誠に不適切で配慮に欠けるものでした。医療に従事する関係者の皆様、読者の皆様に謹んでお詫び申し上げます」と謝罪しました。
なぜ、騒動は大きくなったのでしょうか。
企業の危機管理に詳しい桜美林大学・西山守准教授は、「ちょっとたたかれすぎではないかという側面もあるが、職業に対するバイアス(偏見)の部分や不倫や浮気、そうした行為に対する風当たりの強さ。ファッション雑誌というのは、特定のユーザー、かなり細かい思考とかを持った人をターゲットにするもので、(かつては)ある程度攻めたことをやってもさほど批判はされなかったが、今はインターネット・SNSでそれ以外の人たちにも情報が広がる。
そういった情報空間が時代によって変わっている」と指摘します。
40年以上の歴史を持つファッション誌が引き起こした炎上トラブルですが、今後、特集がどうやって変化していくのか注目です。
FNNプライムオンライン
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